1 天文学への誘い

01 天文学への誘い
ハッブル宇宙望遠鏡による、相互作用する2つの銀河の画像。左側には円形の核を持つ大きな渦巻き銀河があり、右側には小さな棒状の渦巻き銀河が接している。
図1.1 遠い銀河。ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された2つの相互作用する星の島(銀河)は、その光が地球上の私たちに届くまでに何億年もかかるほど遠く離れている。(credit: modification of work by NASA, ESA, the Hubble Heritage (STScl/AURA)-ESA/Hubble Collaboration, and K. Noll (STScl))

章の概要

  • 1.1 天文学の本質
  • 1.2 科学の本質
  • 1.3 自然界の法則
  • 1.4 天文学における数字
  • 1.5 光の移動時間の帰結
  • 1.6 宇宙の旅
  • 1.7 大きなスケールの宇宙
  • 1.8 非常に小さいスケールの宇宙
  • 1.9 終わりと始まり

私たちは、天文学者が現在理解している宇宙を探索する一連の航海に皆さんをご招待します。地球の向こう側には、私たちの住む惑星にはない広大で壮大な領域が広がっています。しかし、私たちが地球上に存在するのは、宇宙の進化のおかげであることをお伝えしたいと思います。

旅の途中では、次のようなものに出会うでしょう。

  • ロサンゼルスからワシントンD.C.までに相当するほどの長さの巨大な峡谷群(図1.2).
Image of the Planet Mars. This composite image is centered on the Valles Marineris (Mariner Valley) region near the Martian equator.
図1.2 火星のモザイク画像。アメリカの国土と同じくらいの長さがある峡谷群、マリネリス峡谷Valles Marineris(マリナー峡谷)を中心とした火星の画像。(credit: modification of work by NASA)
  • 地球上にあるクレーターなどの証拠から、宇宙の衝突によって恐竜をはじめとする多くの生物が絶滅したことがわかっている
  • 野球のボールを軌道に乗せることができるほど重力が弱く、小さな月
  • 崩壊した星は非常に密度が高く、その内部を再現するには、地球上の全人類を一粒の雨粒に押し込めなければならない
  • 爆発した星は、隣接する星の軌道上にある惑星の生命体をすべて消し去ることができる(図1.3)。
  • 隣接する小さな銀河の多くをすでに食べ尽くし、まだ新しい犠牲者を探し続けている「人食い銀河」。
  • 宇宙創成期のかすかな、しかし紛れもない信号である電波の反響。

かに星雲の超新星残骸の画像。長方形の拡散光の領域に、繊細なガスの枝や蔓が、宇宙の暗闇に向かって広がっているのがわかる。
図1.3 恒星の死骸。1054年に私たちの空で爆発したとされる星の残骸を観測している。現在、この星の残骸は「かに星雲Crab Nebula」と呼ばれ、その中心部分がここに見えている。このような爆発した星は、宇宙での生命の発展に欠かせないものである。(credit: NASA, ESA, J. Hester (Arizona State University))

このような発見があるからこそ、天文学は科学者をはじめとする多くの人々にとってエキサイティングな分野なのですが、皆さんが探求するのは、宇宙に存在する天体やそれらに関する最新の発見だけではありません。私たちが地球外の世界を理解するようになった過程や、理解を深めるための手段にも注目していきます。

私たちは、宇宙から送られてくるメッセージから宇宙の情報を得ています。星は宇宙の基本的な構成要素であるため、星の光のメッセージを解読することは、現代天文学の中心的な課題であり、成功でもあります。このテキストを読み終える頃には、そのメッセージを読み取る方法と、メッセージが私たちに伝えていることを理解する方法について、少しは理解できるようになっていることでしょう。

A Year Along the Geostationary Orbit from Felix Dierich on Vimeo.

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