宇宙から見た地球には、多様な生命の存在を示す手がかりはありません。地球上で最初の生命体は、植物や動物が出現する前の数十億年もの間、海の中に存在していた微生物だと考えられています。現代の私たちが目にする哺乳類や鳥類、花などは、そのほとんどが1億3,000万年から2億年前に誕生した「最近の種」です。現在のような姿になったのは、実はここ30万年のことなのです。
生物はお互いに影響しあい、進化していきます。例えば、病気を引き起こす生物は、感染した生物の防御力(免疫)に打ち勝つために適応しなければなりません。人に感染することに特化して進化してきた生物の一つが、マラリアの原因となる原虫です。
生物学者は、科学のプロセスを用いて、世界とそこに住む生物について学びます。例えば、血液型がO型の人は重度のマラリアで死亡する可能性が低いということは、かなり以前から考えられていました。そしてこのたび、ある科学者チームがその理由を解明しました。いくつかの実験データを検証し、帰納的・演繹的推論を駆使して、A型とB型の血液がマラリア原虫の排泄するタンパク質と反応すると結論づけたのです。この反応が重症化の原因となるわけですが、O型の血液はこのタンパク質と反応しないのです。A型とB型の血液型の人が原虫に感染したときの反応についてはこちら(英語)。