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7.1 認知とは何か?

07 思考と知能

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学習目標

  • 認知について説明する
  • 概念と原型を区別する
  • 自然な概念と人工的な概念の違いを説明する
  • スキーマがどのように組織化され、構築されるかを説明する

あなたの思考のすべてが、物理的な実体のようにあなたの心の中で急速に渦巻いていると想像してみてください。

脳はなぜ、一つの思考から次の思考へと、整理された秩序ある方法で移動することができるのでしょうか。脳は、知覚、処理、計画、整理、記憶など、絶え間なく活動しています。しかし、日常生活を送っていると、脳の活動のほとんどに気づくことはありません。これは、認知に関わる複雑なプロセスの一面に過ぎません。

認知cognitionとは、簡単に言えば「考えること」であり、「知覚」「知識」「問題解決」「判断」「言語」「記憶」などのプロセスを含んでいます。認知を研究する科学者たちは、私たちが、脳の行う無意識の作業を意識することなしに意識的な認知体験をどのように統合、整理、活用しているのかを理解する方法を模索しています(例えば、Kahneman, 2011)。

認知

毎朝、目が覚めると、その日にこなさなければならないことを考えます。どのような順番で用事を済ませるべきか。銀行に行くべきか、クリーニング店に行くべきか、それともスーパーに行くべきか。教室に行く前に済ませることができるか、それとも学校が終わるまで待つ必要があるか。

このような考えは、認知が働いている一例です。認知は非常に複雑で、人間の意識には欠かせない機能ですが、認知のすべての側面が意識的に経験されるわけではありません。

認知心理学cognitive psychologyは、人がどのように考えるかを研究する心理学の分野です。人間の思考、感情、創造性、言語、問題解決など、他の認知プロセスとの相互作用を研究することで、人間がどのように、そしてなぜそのように考えるのかを説明しようとしています。

認知心理学者は、様々なタイプの知能を定めて測定することや、問題解決が得意な人とそうでない人がいる理由、感情的な知能が職場での成功にどのように影響するかなど、数え切れないほどのテーマに取り組んでいます。また、後述するように、環境から収集した思考や情報をどのように意味のある思考のカテゴリーに整理するかに注目することもあります。

概念とプロトタイプ

人間の神経系は、膨大な量の情報を処理することができます。

感覚は、心と外部環境とのインターフェースとして、刺激を受け、それを神経のインパルスに変換して脳に伝える役割を果たしています。 脳はこれらの情報を処理し、関連する部分を使用して思考を作り、それを言語で表現したり、将来使用するために記憶に保存したりします。

このプロセスをより複雑にしているのは、脳は外部環境からの情報だけを集めているわけではないことです。思考が形成されるとき、心は感情や記憶からの情報を合成します(図7.2)。感情と記憶は、私たちの思考と行動の両方に強い影響を与えるのです。

人間の頭の輪郭が示されています。頭の前には、「情報、感覚」と書かれた箱があります。この箱から出ている矢印は、人間の脳の前の部分にある「感情、記憶」の入った別の箱を指しています。この2つ目の箱からの矢印は、人の脳の後ろ側に位置する「思考」を含む3つ目のボックスを指しています。思考からは2本の矢印が出ています。1つの矢印は2つ目の箱「感情、記憶」を指し、もう1つの矢印は4つ目の箱「行動」を指しています。
図7.2 感覚や情報は、脳で受け取られ、感情や記憶のフィルターを通り、処理されて思考になる。

この途方もない量の情報を整理するために、心の中には書類戸棚のようなものが発達しています。書類戸棚に格納されているさまざまなファイルを「概念」と呼びます。

概念conceptとは、言語情報やイメージ、アイデア、あるいは人生経験などの記憶を分類したり、まとめたりしたものです。自分の経験のさまざまな要素の関係を見極め、頭の中の情報を整理してアクセスできるようにするために使用します。

概念は、意味記憶semantic memory(意味記憶については後の章で詳しく説明します)に基づいており、私たちの生活のあらゆる場面に存在していますが、特に概念に気づきやすいのは、はっきりと議論が行われている教室の中です。

例えば、アメリカの歴史を勉強すると、過去に起こった個々の出来事にとどまらず大量の情報を吸収することになります。議論を聞いたり、議論に参加したり、地図を見たり、人々の生活の記録を読んだりして、大量の情報を吸収していきます。それを脳が分析して、アメリカの歴史を総合的に理解していくのです。その過程で脳は、民主主義、権力、自由などの関連する概念を理解するための情報を収集し、洗練させていきます。

概念には、「正義」のように複雑で抽象的なものもあれば、鳥の種類のように具体的なものもあります。例えば、心理学では、「ピアジェの発達段階」は抽象的な概念です。「寛容さ」のように、長年にわたってさまざまな形で使用されてきたため、多くの人が合意している概念もあります。また、理想の友人の特徴や、家族の誕生日の習慣など、個人的で個性的な概念もあります。このように、概念は、日常生活のさまざまな場面や、政府の機能を支える原理原則など、私たちの生活のあらゆる場面に関わっているのです。

脳が情報を整理するもう一つの方法は、発達した概念のプロトタイプを見つけることです。プロトタイプprototypeとは、概念の最も良い例や表象(イメージ)のことです。例えば、犬といえば何を思い浮かべるでしょうか。ほとんどの場合、あなたの幼少期の犬に対する経験が、あなたのイメージを形成します。もしあなたが最初に飼ったペットがゴールデンレトリバーだったら、それが犬というカテゴリーのプロトタイプになる可能性が高いでしょう。

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