１ 心理学への誘い 要約版

１.１　心理学とは何か？
１.２　心理学の歴史
１.３　現代の心理学
１.４　心理学のキャリア

１.１　心理学とは何か？

心理学は心と行動の科学的研究を指し、19世紀後半に独立した学問分野として認識されるようになりました。心理学は生物学的な視点と社会科学的な視点を統合し、観察や実験に基づく経験的な手法を使用します。心理学の学習は、情報の評価と理解のための批判的思考スキルやコミュニケーションスキルを養うために有益です。また、生物学、環境、経験が個々の行動にどのように影響を与えるかを理解するための洞察も提供します。心理学は多くの学生に人気があり、自己理解を深めたり他人を助ける手段として学ぶ学生もいます。

１.２　心理学の歴史

ヴント Wundtやジェームズ Jamesの時代以前は、心に関する疑問は哲学者が考えていました。しかし、ヴントとジェームズの二人は、心理学が明確な科学分野として確立されることに貢献しました。

心理学の興り

ヴントは構造主義者structuralistでした。つまり、私たちの認知的な経験は、その経験を構成要素に分解することによって最もよく理解されると考えたのです。彼はこれを内観introspectionによって達成するのが最も良いと考えました。

ウィリアム・ジェームズ William Jamesは、アメリカで最初の心理学者であり、機能主義functionalismの提唱者でした。機能主義の立場では、精神活動が生物の環境に対する適応的な反応としてどのように機能するかに注目します。ヴントと同様、ジェイムズもまた内観に依存していましたが、彼の研究アプローチはより客観的な尺度も取り入れていました。

フロイト

ジークムント・フロイト Sigmund Freudは、意識的な行動を理解するためには、無意識の心理を理解することが絶対に必要だと考えていました。これは特に、彼が診たさまざまなヒステリーや神経症に苦しむ人々に当てはまります。フロイトは、無意識にアクセスする手段として、夢分析、言い間違い、自由連想に頼りました。精神分析の理論は、数十年にわたり臨床心理学において支配的な力を持ち続けました。

ゲシュタルト心理学

ゲシュタルト心理学Gestalt psychologyは、ヨーロッパで大きな影響力を持ちました。ゲシュタルト心理学は、個人とその経験を全体的にとらえるものです。ナチスがドイツで権力を握ると、ヴェルトハイマー Wertheimer、コフカ Koffka、ケーラー Köhlerの3人はアメリカに移住しました。彼らは研究室と研究を放棄せざるを得ませんでしたが、ゲシュタルトの考えをアメリカに紹介しました。ゲシュタルト心理学の原理のいくつかは、今でも感覚や知覚の研究に大きな影響を及ぼしています。

行動主義

心理学の歴史の中で最も影響力のある学派の1つが行動主義です。行動主義Behaviorismでは、心理学を客観的な科学とするために、目に見える行動を研究し、目に見えない心のプロセスの重要性を軽視することに重点を置いていました。ジョン・ワトソン John Watsonは行動主義の父と呼ばれ、B・F・スキナー Skinnerはオペラント条件付けの原理を理解する上で、その貢献度は計り知れないものがあります。

ヒューマニズム

行動主義や精神分析が心理学の多くの側面を占めるようになると、心理学が描く人間像に不満を抱く人が出てきました。そこで、心理学の中にヒューマニズムの動きが出てきました。ヒューマニズムHumanismとは、すべての人が持つ善の可能性に注目するものです。マズロー Maslowもロジャーズ Rogersも、人間性心理学の形成に影響を与えた人物です。

認知革命

1950年代には、心理学の風景が変わり始めました。行動の科学が、精神的なプロセスに焦点を当てるという原点に立ち戻るようになったのです。神経科学とコンピュータ・サイエンスの出現は、この移行を後押ししました。最終的には、認知革命が起こり、人々は認知が行動を真に理解し、理解するために重要であることを理解するようになりました。

１.３　現代の心理学

心理学は、ユニークな視点を持ついくつかの主要な下位区分で構成される多様な学問分野です。

生物心理学Biological psychologyは、行動の生物学的基盤を研究するものです。感覚と知覚は、感覚器からの情報がどのように受け取られ、その情報がどのように周囲の世界の知覚体験に変換されるかに焦点を当てた心理学の領域を指します。

認知心理学Cognitive psychologyは、思考と行動の間に存在する関係を研究し、発達心理学developmental psychologyは、人の生涯を通じて起こる身体的および認知的変化を研究します。人格心理学Personality psychologyは、個人のユニークな行動、思考、感情のパターンに焦点を当てます。

産業・組織心理学Industrial and organizational psychology、健康心理学health psychology、スポーツ・運動心理学sport and exercise psychology、司法心理学forensic psychology、および臨床心理学clinical psychologyはすべて、心理学の応用分野とみなされています。産業・組織心理学者は、心理学の概念を産業・組織（I-O）の環境に適用します。健康心理学者は、人々がより健康的な生活を送るための方法を探し、臨床心理学者は、心理障害やその他の問題のある行動パターンの診断と治療に携わります。スポーツ・運動心理学者は、スポーツ、運動、およびその他の活動における思考、感情、および身体的パフォーマンスの間の相互作用を研究しています。司法心理学者は、司法制度に関連して心理学に関連した活動を行います。

１.４　心理学のキャリア

一般的に、心理学におけるアカデミックなキャリアは博士号を必要とします。とはいえ、心理学の修士号を取得した人には、学術的でないキャリアの選択肢が数多くあります。心理学の学士号を持つ人の心理学関連のキャリアの選択肢はより限定されますが、心理学の学部教育の機能として習得したスキルは、様々な仕事の文脈において役立つものです。