１.１ 天文学とは何か

天文学とは、私たちの住む地球の外側にある天体と、それらの天体が互いに影響し合う過程を研究する学問と定義されています。しかし、これから見ていくことになりますが、実際にはそれ以上のものであるといえます。天文学は、私たちが学んだことを、ビッグバンという宇宙誕生の瞬間から現在に至るまでの宇宙の歴史として明確に整理する人類の試みでもあります。本書では、科学は”経過報告”であり、新技術や新たな機器によって宇宙をより深く調べることができるようになっても、常に変化するものであることを強調しています。

宇宙の歴史を考えていくと、宇宙が”進化”、つまり、長い時間をかけて大きく変化しているということを何度も認識することになります。例えば、宇宙は炭素、カルシウム、酸素を作りましたが、それはあなたのような興味深く、複雑な存在を作るために不可欠なものです。それから何十億年も経った現在、宇宙は生命にとって、より住みやすい場所へと進化しています。宇宙がどのように進化してきたのかを知ることは、現代の天文学において最も重要なことの一つであり、また最も面白いことの一つでもあります。