陸上には、実にさまざまな種を持たない植物が生息しています。木の幹にはコケが生え、林床にはスギナが節くれだった茎とひょろ長い葉を広げています。現在、私たちの身の回りにある植物の中で、種をもたない植物はごく一部です。しかし、3億年前の石炭紀には、種を持たない植物が広大な湿地帯の森を支配していました。それが分解されてできたのが、現在大量に採掘されている石炭です。
現在の進化論では、すべての植物(緑藻類も陸上植物も)は単系統、つまり、単一の共通祖先の子孫であると考えられています。水中から陸上への進化は、植物に厳しい制約を課しました。乾燥の回避、生殖細胞の空気中への分散、構造的な支持、太陽光の捕捉とフィルターなどの戦略を開発しなければならなかったのです。種子植物は、地球上で最も乾燥した場所でも生息できるような適応策を開発しましたが、すべての植物で水からの完全な独立が実現したわけではありません。ほとんどの無種子植物は、生殖のために依然として湿った環境を必要とします。
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