２６　種子植物

熱帯の海岸に生い茂るヤシの木は、同じ地形に生息するコケ類やシダ類とは異なり、花粉の飛散や受精、接合子の生存に水を必要としません。このヤシは、生殖に水を必要としない種子植物なのです。この種子植物は、地形を形成し、気候に影響を与え、生命を維持するために、地球上のあらゆる場面で重要な役割を担っています。何千年もの間、人間社会は種子植物に栄養と薬効成分を頼ってきました。近年では、木材や紙、染料、織物などの生産物の原料としても利用されています。例えば、上に挙げた植物は、それぞれ複数の用途が見つかっています。ヤシはラタン、油、ナツメヤシなどの材料になりますし、小麦などの穀物は、人間や動物の飼料として、また発酵させてアルコール飲料の原料として栽培されます。綿の花は実がなり、その繊維は衣服や紙のパルプになります。ケシは観賞用として、また強力なアヘン化合物の原料として重宝されています。