30 植物の形態と生理

30 植物の形態と生理
 Photo shows a plant with oval leaves that oppose each other on long, thin branches.
図 30.1 ニセアカシアの葉は、中央の葉脈に沿って配列された小葉で構成されている。葉の一枚一枚が複雑な光合成装置であり、太陽光と二酸化炭素を取り込むために絶妙に調整されている。また、維管束系が複雑に絡み合い、葉に水やミネラルを供給し、光合成の産物を送り出している。 (credit: modification of work by Todd Petit)

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章の概要

  • 30.1 植物体
  • 30.2 茎
  • 30.3 根
  • 30.4 葉
  • 30.5 植物における水と溶質の輸送
  • 30.6 植物の感覚系と反応

植物は、土地、水、空気と同じように、人間の生存に欠かせないものです。光合成による酸素がなければ好気性の生物はその生命を維持することができないため、植物がなければ私たちの日常生活は成り立たないのです。食料、住居、薬、油、香水、工業製品などの原料としても、植物は人間に多くの貴重な資源を提供しています。

植物というと、思い浮かぶ生物の多くは維管束植物です。これらの植物は、食物や水を伝導する組織を持っており、そのほとんどに種子があります。種子植物は裸子植物と被子植物に分けられます。裸子植物には、針葉樹であるトウヒ、モミ、マツなどのほか、イチョウ、ソテツなどの植物が含まれます。裸子植物の種子は果肉に包まれていません。被子植物は、種子植物の大部分を占めます。被子植物には、広葉樹(カエデ、カシ、ニレなど)、野菜(ジャガイモ、レタス、ニンジンなど)、草本、花の美しさで知られる植物(バラ、アヤメ、スイセンなど)などが含まれます。

植物の種類はそれぞれ異なりますが、茎、根、葉からなる植物体という構造は共通しています。また、光合成によって生成された水やミネラル、糖分は植物体内で同様に運搬されています。また、光、重力、競争、温度、捕食などの環境要因に対応しているのも植物種の共通点です。

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