呼吸は不随意運動です。呼吸の回数や吸ったり吐いたりする空気の量は、脳の呼吸中枢によって厳密に制御されています。人間は、労力をかけていないときは、平均して1分間に約15回呼吸している。図39.1のイヌのように、イヌ科動物の呼吸回数は1分間に約15〜30回です。
息を吸うたびに空気が肺に充満し、吐くたびに空気が出ていきます。その空気は、単に胸腔内の肺を膨らませたり縮めたりするだけではありません。空気中には酸素が含まれており、肺の組織を横切って血流に入り、臓器や組織に運ばれていくのです。酸素(O₂)は細胞に入り、高エネルギー化合物であるATPを生成する代謝反応に使われます。同時に、この反応によって副産物として二酸化炭素(CO₂)が放出されます。CO₂には毒性があるので、排出されなければなりません。二酸化炭素は細胞から出て血流に乗り、肺に戻り、呼気で体外に排出されます。
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